井分潭風
書家・篆刻1958年生まれ、三重県出身。書と篆刻で活躍。2022年3月には創作人形作家・泰良木ゆめさんとの二人展をVOLVOXで開催しました。
はまっち(濱地史隆)
鼻笛奏者1971年生まれ、津市在住。鼻笛による独自の音楽表現を追求し、VOLVOXの空間で演奏を披露しました。
川北記庸子
彫金作家1982年生まれ。金属を素材とした繊細な彫金作品を制作。VOLVOXでの展示を通じて、その精緻な技術が注目を集めました。
Motomitsu Maehara
コラージュ・音楽パリ在住。2017年6月に「ART & MUSIC」展、2019年7月に「沈黙の花」展をVOLVOXで開催。コラージュと音楽を融合させた独自の表現を展開しました。
lilylantern
水彩画・絵本水彩画と絵本制作を手がける作家。透明感のある色彩と物語性豊かな作品で、ギャラリーに柔らかな空気をもたらしました。
LUNA
ヴォーカル声による表現を追求するヴォーカリスト。VOLVOXの親密な空間で、言葉と音の境界を越えたパフォーマンスを披露しました。
kimura sumire
絵画絵画を中心に活動。色彩とフォルムへの鋭い感覚を持ち、VOLVOXの展示空間で独自の世界観を表現しました。
Stela Casian
ワークショップ参加型のワークショップを中心に活動。来場者が手を動かしながら創造性に触れる機会を提供しました。
VOLVOXでは2013年の開廊から2022年の閉廊まで、多くの作家がこの空間で作品を発表しました。ここに紹介した作家はその一部です。各展覧会の詳細は展示会カレンダーをご覧ください。
四天王会館の静かな佇まいの中に位置するVOLVOXは、アートとクラフトの表現者が集い、協同で運営してきた特別なギャラリー空間です。樹々の緑に囲まれたレトロな雰囲気の建物の一階に開かれたこの場所は、作家同士が支え合い、互いの創作を尊重しながら展示を重ねてきました。単なる作品発表の場ではなく、作り手と鑑賞者が出会い、対話を生む場として機能してきたのです。その空気感は、訪れるたびに異なる表情を見せ、地域のアートシーンに静かな灯をともし続けてきました。
VOLVOXで発表を重ねたアーティストたちの表現は、実に多彩です。書や篆刻といった伝統的な技法を現代に響かせる作品から、彫金による繊細なジュエリー、絵画やコラージュ、さらには音楽に至るまで、ジャンルの垣根を超えた創作がこの空間を満たしてきました。それぞれの作家が持つ独自の視点と技法は、ギャラリーという場で交差し、訪れる人々に新たな発見をもたらしてきました。表現の多様性をそのまま祝福するようなこの空間では、作品同士の意外な調和や、異なる素材の対話が自然に生まれていました。
このギャラリーを支えてきたのは、運営会員として参加する作家たちの協力体制です。それぞれが自身の制作活動を続けながら、展示の企画や空間づくり、来場者との対応に至るまで、主体的に関わってきました。こうした運営形態は、作家たちにギャラリー運営の経験をもたらすと同時に、互いの表現への理解を深める機会ともなりました。展覧会のたびに空間のレイアウトが変わり、壁面の使い方や照明のあて方にも作家それぞれの感性が反映されていたことは、VOLVOXならではの魅力でした。
閉廊の挨拶がなされた今も、VOLVOXで紡がれてきた十年の軌跡は、関わった多くの人々の記憶に残り続けています。ここで出会った作家たちは、それぞれの制作の場へと戻りながらも、このギャラリーで得た経験や人とのつながりを糧に、新たな表現を模索しています。ギャラリーという物理的な空間は役割を終えても、そこで生まれた作品や対話、出会いの記憶は、作家たちの創作活動の中で生き続けるでしょう。地域に根ざしたアートの場として、VOLVOXが果たした役割の意味は、これからも語り継がれていきます。